長友耳診針法 -異種金属と耳ツボの組み合わせ-
前回のブログで耳ツボのことを紹介したので、もう少し。
耳ツボの治療法として思い浮かぶのが、長友耳診針法です。この「長友耳診針法」と言っても、ベテラン鍼灸師でも知る人は少ないです。
簡単にいうと、耳ツボを普及したフランスのノジェ博士と日本の伝説の鍼灸名人の柳谷素霊の一本鍼療法を組み合わせ治療法です。
発案者は、日本にフランスのノジェ式耳診針法を紹介した、長友次男(ながともつぎお)氏です。
長友氏は、明治26年に宮崎市に生まれ、陸士校を卒業後陸軍少佐-陸軍少将まで上り詰めた方で、その経歴はネットで調べるとわかりますが、鍼灸師としての紹介はそれに比べ少ないです。
同氏は東京帝国大学法学部を卒業し、外国語に堪能のようでした。
(「昭和34年~50年、洋鍼文献合計100編を邦訳紹介す」とあります)
鍼灸師となったときは、フランスのノジェ式耳診針法やバッハマン吸角療法、同じくバッハマン奇脈療法を翻訳紹介しています。
今でこそ鍼灸師には変わった経歴の持ち主が多いですが、戦後間もない時期に、こうした経歴を持つ異色の鍼灸師は珍しかったと思います。
戦後は第二の人生として、人々の健康増進に関わりたかったのだと思います。
「長友耳診針法」の特徴は、先にも書きましたが異種金属を用いたノジェ式耳診針法と柳谷素霊の一本鍼法の組み合わせ(仮称N・Y法)です。
異種金属には、MP鍼という鍼灸針を用います。Mは“マイナス”で、Pは“プラス”を意味します。
M針には亜鉛針を用い、P針には銅鉛の針を用いて、身体の中に刺すことにより電位差を生じさせ治療効果を引き出させる方法です。
上の写真は、MP針と一般的に使われる耳鍼です。真ん中の筒状のものは、MP針を挿入し、身体の中に入れる鍼管と呼ばれるものです。下のマッチ棒と比べると小さいものであることがわかります。
現在は皮内鍼といって、とても短い鍼がテープに貼り付けられて、使い捨てで使えるようになっています。刺鍼法は、このように深く刺す必要はありません。
長友氏の著書『長友・MP鍼灸講話八十八輯』を読むと、真剣に鍼灸臨床に取り組んでいたことがわかります。鍼灸臨床に真剣に取り組むとは、それだけ人のために生きたことの証と思います。
戦争を体験し戦犯となるも、その後の人生は鍼灸の道を歩み、今の耳ツボの発展のため生きたことを、このブログでも紹介してもいいかなと思い、書かせていただきました。
異種金属療法については、下記のブログもご紹介させていただきました。
ブログ 水の旅人:「『皮膚は考える』から連想した2-M-Cやイオンパンピング 」
この記事へのコメント
長友次男は私の祖父です。
祖父のことをご紹介していただいてありがとうございました。
私よりも祖父のことを良く知っていらっしゃるので驚きました。
父にも、祖父のことを書いてくださっているブログがあることをお話させていただきますね。
『長友・MP鍼灸講話八十八輯』は、先代院長の父の蔵書でした。この本を、机上に置いてあったことを思い出します。
長友先生は、とても優秀な鍼灸師であったことが、読むとわかります。
また、外国の文献を日本に広められたご功績は、多くの鍼灸師の方に知ってもらってもいいと思います。
お父様に、よろしくお伝えください。
2.3年前に父の名前を検索しましたら、このブログを見つけました。父のことを紹介していただきありがとうございました。私の三日前のブログにこれらのことを書かせていただきました。
http://blogs.yahoo.co.jp/mako2050/64570521.html
コメントのウェンディは兄の長女だと思います。残念ながら去年亡くなりました。来月姉の一周忌で兄と会いますので、それらのことを話してみようと思っています。
どうぞお元気で!
また、ウェンディさんがお亡くなりになりましたこと、心よりご冥福をお祈りいたします。
私は長友式治療を知り、治療もできる日本では数少ない鍼灸師だと思います。35年ほど前までは臨床に積極的に取り入れていました。研修生にも長友式の治療の実技披露をし、エッセンスを伝えることもあります。
ただ、銅針や亜鉛針を使ったり耳針をすることが扱いにくい治療に思われたかなと思います。しかし、効果は素晴らしかったです。
みな様に、よろしくお伝えください。
合掌